集中力を高める自己観察法

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こんにちは!柔道整復師の山田です。

 

前回は集中力を高める為のセルフイメージについて紹介しました。

セルフイメージを高める為には反復が必須です。

反復するためにはイフゼンプランニングという手法を使うのがおすすめです。

『もし○○なら××をする。』というように習慣にしたい行動をこの文法にあてはめてください。

例えば、勉強する前に30秒有能な人をイメージする。

このような言葉は脳に強烈にインプットされます。

目標達成率が二倍から三倍になる。とも言われるこのテクニック。

是非試してみてください。

 

さて今回は自己を観るテクニックについて説明します。

私たちの集中力を途切れさせる大きな要素は感情です。

悩みや欲望イライラなどの感情に振り回されることで、集中力が途切れます。

※引用は鈴木祐さん著書【ヤバい集中力】

 

感情の特性

マイクロソフトの研究では、人は40秒に一回のペースで何かに気を取られ、そのたびに感情との戦いを強いられています。もしもその戦いに負けてしまえば、集中力が元に戻る時間は20分程かかるといわれています。

 

ただし辺縁系が生み出す感情は強度が強い一方、持続時間が短いことがわかっています。

 

食欲の暴走に悩む被験者を対象にした実験では、彼らが何か食べたいと思った直後にテトリスをプレイさせたところ、たった1分~3分でドーパミンの量が減り、食欲のレベルが24%も減りました。

 

複数の研究データを平均してみると、感情の暴走は長くて10分程しか続きません。

この10分を乗り切ることが重要になります。

 

感情に支配されない3つのテクニック

①3つのメタファー~感情の観察~

これは心理療法で有名な技法で、患者に【観察】のコンセプトを理解してもらうために使われます。

・雲の上のメタファー

感情の観察は、雲の中にいるあなたのそばを、別の雲が通り過ぎてくのを見つめるのに似ています。

そもそも雲とは、地球が自分の天気を管理するための大きなシステムの一部。

雲の形を変えてみたり、雲の動きをコントロールするのは不可能だし時間の無駄です。

通り過ぎる雲の観察日記をつけるように、自分の思考や感情を取り扱って下さい。

 

感情の観察とはただ雲の動きを記録する科学者のような感覚だといえます。

 

・電車のメタファー

自分の心を駅のようなものだと考えましょう。思考と感情は駅を通りすぎる電車です。

電車はホームにいったん停まり、やがて必ず通りすぎます。

あなたはホームの見物人になり、ただ電車が通り過ぎていくのを見てください。

 

感情や思考は必ず過ぎ去るものです。自分が乗らない電車を眺めるような感覚が感情を観察する感覚です。

 

牧草地のメタファー

言うことを聞かない牛を牧草地で飼っているとしましょう。

この時、牛の周りに狭いフェンスを立てて閉じ込めてしまうと、牛は自由を求めて暴れだして逆に被害が大きくなってしまいます。

ここで本当にすべきことは、牛に十分なサイズの牧草地を与え、自由に動き回れるスペースを確保することです。

十分なスペースがあると牛が暴れまわっても問題ありません。

感情もスペース作りが必要です。

 

これらのメタファーを理解しただけでも、自己を観る能力が高まります。

 

②聖域を作る

あらかじめ辺縁系の注意をそらすものを排除するのも効果的です。

具体的には

整理整頓した場所で作業する。

作業する場所を決めておき、作業をするときはその場所だけで行う。

スマホの通知を消す。

スマホの電源を切るか、違う部屋に置いておく。

などです。

 

③感情を切り離す

最後は自己を観る力を伸ばすステップです。

メタ認知療法や、ACTなどの最先端な心理療法の世界でも推奨されている技法を2つ紹介します。

 

・ムード・スコアリング

ムード・スコアリングは、大事な作業から注意がそれた時に、注意をそらした感情をパーセンテージで表す方法です。

例えば大事な作業中に退屈な感情が出てきたら、

『今の退屈な感情の強さは50%だな。

他にもイライラの感情があるな。このイライラの感情は20%だな。』という風に感情の変化をリアルタイムで実況してください。感情の強いときは、100%で何の感覚もないのなら0%をつけましょう。

人間の集中力が乱れる時は、感情の変化も起きます。

この感情の変化につられると、『退屈を感じた→ゲームをしよう』や『イライラした→お菓子を食べよう』というように、感情のまま行動してしまうでしょう。

ここでムード・スコアリングを使えば、自分の変化を客観的に見つめることが可能になります。感情のまま行動するということを抑えられる効果があります。

 

・感情の物質化

ムード・スコアリングは手軽で効果が高いテクニックですが、いざ実践したときに、自分の感情が言葉にできないこともあるでしょう。

そんな時は感情の物質化を試してください。

作業中に何らかの感情がわきあがったら、『今のこの感情は物体だったらどんな感じだろう?』と考えてみるトレーニングです。

例えば『今のこの感情は青色で、頭の後ろのほうに豆粒ぐらいの大きさで硬いな。』

というような感じです。

うまくイメージできないときは、次の質問を投げかけてください。

・その感情は何色だろうか?

・感情の大きさは?

・身体のどの位置にあるだろうか?

・感触は?ざらざら?硬い?柔らかい?

・温かさは?

・動きはあるか?振動している?静止している?スピードは?

このトレーニングも長く続けると感情を切り離す力がつきます。

 

集中力を高める為には感情を切り離すスキルは必ず役に立ちます。

あなたの注意をそらす感情からいったん距離を置くことができれば、速やかに元の作業に戻れます。

ただし、この時に自分の感情を意図的にコントロールしようとはしないでください。

『退屈だからもっと楽しい気分にならなければ。』や『イライラを抑えないと。』と思ったところで感情は抑えられません。牧草地のメタファーで見たように、無理に押さえつけようとすると、逆に激しく感情は暴走します。

ただ感情の波を採点し続け、感情の支配力が衰えること待つのが感情を観る際の

最重要pointです。

 

まとめ

・感情の力は強いが長い時間は続かない。

・感情の観察は雲・電車・牧草地の3つのメタファーのような感覚。

・環境を整える

・感情を切り離すには、感情をスコアリングする